今回は自然食レストランで働いていた僕がおすすめする
発酵食品についてをご紹介したいと思います。
僕は4年ほど同じレストランで料理人をしていました。
そちらのお店が途中でコンセプトを変更し、健康を重視したイタリアンになりました。
コンセプト変更から2年ほどこちらのお店で健康を意識した料理を作り続けました。
そこで学んだのが、
野菜、健康、農業、食品添加物、発酵、
などといった体の構築に関する事の知識が増えました。
食材も自然なものを多く使ったり、農家さんにもたくさん巡ってきました。
そんな僕が今回おすすめしたのが、「発酵」です。
コロナ禍があってからよく話題にもなりましたよね。
スーパーなどで納豆やキムチ、ヨーグルトなどが品薄になる日々が続いたりと国民の意識が一気に健康に向いたと思います。
なぜ発酵がからだにいいのか?
発酵の良いところはまず、「善玉菌が多いこと」です。
そして発酵食品は保存が効きます。
ということですよね?
腸内には「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」があります。
発酵食品が多く持つ善玉菌が腸内に届き、腸内が「発酵」へと進み、からだに良い影響を及ぼします。
逆に悪玉菌が多くなると「腐敗」してしまいます。
腐敗は字のごとく、良い影響を及ぼしませんよね?
善玉菌によって腸内環境よくすると言われているのは
腸内の菌で善玉菌と悪玉菌、日和見菌が存在しますが、善玉菌の数の方が上回ると
発酵を促して腸内環境を良くすると言われています。
逆に 腐敗=悪玉菌 になります。
腸内でこちらの数が多ければ腐敗が進み、腸内環境を悪くし、お肌や便秘などに影響します。
そして免疫力を下げる原因でもあります。
ちなみに日和見菌は、善玉菌と悪玉菌
この2つの数がどちらかに上回ればこの日和見菌は上回った方に変身します。
気まぐれな菌ですね(笑)
善玉菌には発酵によって腸の働きが活発になることで便秘も解消されます。
便秘が解消されることでさらにお肌の調子も良くなります。
発酵食品は善玉菌が豊富で腸内の善玉が増えるだけでなく、
悪玉菌を減らしてくれる効果も期待できます。
風邪などの感染症を防止するための免疫力アップにつながる食べ物になります。
体に良い影響をもたらしてくれる発酵にはまだ良いことがあります。
それが「食材の旨味をアップしてくれる」ことです。
発酵は一定の期間放置することで食材が持つ菌、空気中の菌や温度を使って発酵します。
乳酸菌、糀菌、納豆菌、酵母菌、酢酸菌、様々な菌が活躍して発酵食品へと生まれ変わります。
「熟成」っと言うと美味しそうに聞こえませんか?
熟成も発酵と同じ原理で、微生物の力を借りています。
新鮮な食材ももちろん美味しいです。
ですが、熟成や発酵した食材は旨味や栄養価もアップしてなお美味しい食べ物です!
シェフがおすすめする発酵食品5選
お味噌
お味噌が一番おすすめかもしれませんね。
味噌汁で飲むことも出来ますし、味噌漬けに使用することもできます。
なにより微生物と栄養の塊です。
材料は 大豆・糀・塩 この3つだけでシンプルなだけに奥が深い。
熟成期間や豆の種類、糀の種類などによって白味噌だったり赤味噌だったりと様々な味噌に変化します。
しかも大豆は「畑の肉」と呼ばれるほどタンパク質が豊富で、必須アミノ酸もバランス良く含んでいます。
お味噌汁にするときになるべく菌を殺さないようにするために味噌を溶かすときは
火を止めて60℃ほどの温度で溶かすのがおすすめみたいです。
ですが熱々のまま溶かしても全然問題ありません!
菌が死んでしまっても、死んでしまった菌を餌にからだは健康を促してくれます。
お味噌を使ったレシピでクリームチーズの味噌漬けなんておすすめですよ。
働いていたレストランでも定番で人気でした!
作り方はかんたんで
1,煮切ったみりんで味噌を柔らかくのばします。
2,チーズを1~2cmほどにカットして並べ、リードペーパーを被せて味噌を塗り込みます。
3,2~3日冷蔵庫で置いておくと味噌が全体に染み込むと思います。
浸透加減はお好みです。
これだけの工程でできますよ。
お酒のアテなんかに最高です。
納豆
納豆は、大豆に納豆菌を付着させて発酵させることで納豆になります。
納豆の「ねばねば」これも納豆菌の力なのです。
納豆菌にはインフルエンザウイルスの増殖を抑える効果や腸内環境を整える効果があります。
よくご飯と納豆を食べるときに、ご飯にかけて召し上がると思います。
注意したいのが、納豆の菌は熱に弱いのでご飯の上にかけると死んでしまいます。
なのでご飯と食べる時は、納豆を先に口にし、後にご飯を口にするといった食べ方がいいでしょう。
がっつきたい気持ちもわかりますが、栄養を考えたらこちらの食べ方もいいのかもしれませんね。
塩麹
こちらは万能調味料です。
塩・糀・水
で完成するこれまたシンプルな発酵調味料です。
食べたことのない方のためにイメージとしては、
塩味、甘味、旨味のバランスがとれた非常に優れた調味料です。
塩単体の尖った塩味と糀の甘さが水の中で微生物の力を使って調和していき、塩糀へと進化していきます。
完成するまでの期間も温度によって変わりますが、10日~20日とそれなりに期間があります。
1日に1回は必ずかき混ぜて全体が呼吸できるかのように面倒をみなければなりません。
こちらの塩糀、主に料理の味付けや下味に使います。
僕はよく料理の下味に使っていました。
魚の切り身につけると程よく塩味が乗り、かつ旨味がかなりアップします。
それを焼くことで塩糀独特の香ばしさがプラスされるのでおすすめです。
しかも材料の多くが塩なので食材の日持ちもします!
普段なら2、3日でダメになるような魚でも1週間は無事でした。
(あくまで僕の体験なのでどこでもそうなるかの保証はありませんが)
期待できる栄養としては、
- ・血圧を下げたり、動脈硬化などの生活習慣病を予防
- ・コレステロールや中性脂肪を抑える
- ・脳を活性化させて認知症を予防
- ・心身の疲労を回復させたり、免疫力をアップ
- ・水分の蒸発を抑えたり、コラーゲンを生産したりして肌を保湿する
などがあるみたいです。
スーパーでも塩糀は販売していますが、添加物が気になるところですね。
ぬか漬け
こちらもまたおすすめですね。
ぬか漬けはズバリ、植物性乳酸菌の塊です。
こちらは生きて腸まで届き、善玉菌の餌となって善玉菌を増やします。
こうして悪玉菌を減らすことができるので腸内環境も整い、免疫力をあげることもできます。
ご飯との相性も良く、ご飯の糖質を分解する酵素を助ける役割もあります。
スーパーでも売っていますが、添加物や漬け方などで様々です。
一番はやはり、自分で漬ける ですかね。
自分で漬けるときに気をつけておく点で、
ぬかは自然のものを使用するべきです。
ぬかの部分は残留農薬が多い部分なので、なるべく有機、自然栽培のお米のぬかを使うといいでしょう。
自分専用のぬか床があれば、好きな食材を漬けることができます。
僕が試したのは、魚と肉です。
両方ともとても美味しくなりました。
漬けるときはぬかを別の容器に必要な分だけ分けて使うようにしましょう。
水分が多いとぬか床がダメになってしまいますからね。
漬けておく時間としては、魚は半身で半日から1日でした。
お肉の方は、1日~2日ほどです。
ぬかの力でお肉のタンパク質が分解され、柔らかくなります。
甘酒
言わずと知れた甘酒です。
お米・糀・水 で発酵させた飲み物であり、調味料です。
「飲む点滴」
と呼ばれるくらい栄養価が高い飲み物になります。
スーパーでもよく置いていますね。
酒粕の甘酒と米糀の甘酒があると思いますが、どちらがいいと思いますか?
答えは「米糀の甘酒」です。
米糀の甘酒は糀菌がデンプンを分解してブドウ糖を豊富に生成します。
このブドウ糖は疲労回復に良いと言われています。
酒粕の甘酒は酒粕をお湯で溶いて、砂糖を加えたものになります。
なので1から発酵の工程を行っている米糀の甘酒ほどの栄養は入っていないのです。
甘酒を飲むならちゃんと米糀で作った甘酒を飲んだ方がいいでしょう!
しかし、飲む点滴と言えど
飲み過ぎは体に毒になります。
なぜなら、糖質が多く含まれているからです。
高血糖の方は注意した方がいいかもしれませんね。
こちらもできることならば手作りがいいです。
お店でもこちらの機械を使って甘酒を手軽に作っていました。
YAMAZEN 山善 発酵食メーカー 発酵美人 YXA-100(W) 価格:3,490円 |
話題の発酵あんこなどもこちらで作ることができます!
甘酒のレシピや発酵あんこのレシピなどはまた書きたいと思います。
発酵食品の食べ方
発酵食品はほとんどが生の状態です。
売られているものの中には加熱してあるものがあると思いますが、
自分で作るものはもちろん生の状態です。
甘酒とかだと一定の温度で糀菌を活性化させるために加熱しますが、
菌をギリギリ殺さない程度の温度です。
生の発酵食品は微生物が生き生きとしている状態です。
この生き生きとしている微生物を摂取することで体内環境を良くして免疫力を上げてくれる力になります。
発酵食品は独特な味がするので苦手、という方は加熱していただいても大丈夫です。
どうしても菌は熱に弱く、60~70℃の温度で死滅します。
生で食べるものがあればもちろん、加熱して食べないといけないものもあります。
なので、加熱して食べるべき食品は、必ず加熱してくださいね。
発酵している過程で生まれる成分が体に良い影響を与えてくれるので、
加熱したから栄養がない!というわけではありません。
食材(原材料)はなるべく自然のもので
そして最後に、
発酵食品の原材料はなるべく自然由来の材料が望ましいことです。
これは自分で作るときに実践していただきたいと思うのですが、
スーパーなどで販売している発酵食品にはオーガニックなものが少ないと思います。
なので、こちらで選ぶ時は添加物が入っていないものを探してみるといいです。
せっかく微生物ががんばって栄養成分を出しているのに
添加物が入っているとその成分を殺しているようなものになってしまいます。
なので、選ぶ時は添加物が入っていないもの、なければ少ないものを選ぶといいでしょう!
自分で作るときには、野菜をオーガニックなものにしたり
糀を自然栽培のお米で作られているところから購入したりと
色々と試してみるのもいいと思います!
どうでしょうか?
発酵食品の魅力が少しでも伝わりましたでしょうか?
食に関してはまたこれからどんどん深堀りした記事を書いていきますのでまた読んでいただけると嬉しいです。
それでは本日はここまでです。
あなたの体がずっと健康でいられますように。