こんにちは。
今回は新しくメニュー開発をするためのコツについてお話したいと思います。
僕の経歴はと言いますと、調理の専門学校を経て現在大阪のレストランで4年ほど調理業務を行っています。
そんな僕は2年目ほどから副料理長になり、料理開発を任されたりもしています。
色んな料理を考えるからこそ、新しくメニューを構成するためのコツが見えてきます。
なので今回はそのコツを皆さんにお伝え出来たらいいなと思います。
料理人なら必ず通る道
料理人の人、料理人を目指している人であれば必ず通る道である事、それは
「新しく料理を開発する」です。
飲食店で働いていたら必ず誰かが料理を考えていると思います。
料理長であったり、副料理長だったり、もしくはオーナーかもしれません。
飲食に携わる仕事であれば必ず「料理」は必要です。
料理がなければ飲食店ではありません。
飲み物だけのお店はもはやなんでしょう。
サイゼリヤやガストのようなチェーン店でも料理を考えている人はいます。
このような大きな企業では開発部があります。
なのでこの部署の方たちが料理の開発を行っている事が多いです。
個人店や小さめの企業であれば各々の店舗で料理開発を行っています。
僕は個人店で働いていたので、料理長などが料理を考えていました。
そしてもちろん、僕も考えていました。
新しいメニュー開発のためのポイントとは
コツ1 自分のお店のコンセプトは何か
僕が思う料理を考えるコツの1つ目は、
まず「お店のコンセプトは何か」
を確認してしっかり自分に落とし込みます。
お客様は行きたいお店に何らかの目的があるからそのお店にいきます。
インターネットでお店の情報を見て、行きたいと思わせれるなにかがあるから選んでもらえます。
その目的として例えば、
ここの〇〇が美味しいらしいから行ってみよう、
口コミが多く評価も高いから気になる、
デートに利用したい、
接待に使いたい、
雰囲気が好きだ、
個室がありゆったり食事するのにもってこいだ、
食材にこだわり料理も丁寧に作っていそうだな、
健康を気にしているから健康に特化したお店に行きたいな、
その中で重要なのが、「このお店はなんのお店なのか」です。
いわゆるコンセプトと言われる部分ですよね。
なにを売りにしているお店なのか、看板メニューはなんなのか、こだわりは何なのか、
そこを一通り見ていいな、と思わせるものがあるから来店に繋がります。
なので、新しいメニューを開発する上でも、コンセプトから外れることはあってはいけないのです。
コツ2 作りたい料理のテーマはなにか
次に、
コツの2つ目は「作りたい料理のテーマはなにか」
です。
自分が作りたいと思った料理がお店のコンセプトと合っていなければその料理はお店では出せません。
お店のコンセプトをしっかり落とし込めていれば、だいたい使える食材やジャンルや
その料理が前菜なのか、メインなのか、とどんどん選択肢は固まってきます。
テーマは何をメインに使いたいか、何をお客さんに押し出したいか、など
この2つ「コンセプト」と「テーマ」がイメージできればあとは食材を用意するだけです。
もし、誰かになんか料理考えてー、と頼まれたときは
テーマは何?と相手に聞きます。
テーマも自分で考えて、と言われる事もあると思います。
その場合はもう自分の好きなように好きなものを考えたら良いともいます。
もちろん、コンセプトには沿った形で。
僕もたまにテーマも何もなくなんか考えてと言われた事があり、とても困まりました(笑)
なのでその場合はちゃんと話し合いながらどんな食材を使って欲しいかなどを深堀りしていって料理のイメージを完成させていきます。
これが僕の考え方です。
ここまで考えれたらあとは組み立てていくだけです。
簡単な例でいいますと
新しくパスタを開発するとしましょう。
コンセプトを仮に「お野菜を中心としたイタリアン」で
テーマは「優しいパスタ」
としましょう。
コンセプトが「野菜」を中心としてテーマも「優しい」となっていますから
野菜が主体のパスタになります。
野菜がメインであれば季節の野菜をイチオシにすれば興味は惹かれるでしょう。
次に味のベースがオイルパスタなのか、トマトパスタ、クリームパスタなのかを考えます。
優しいがテーマなのでオイルでもいいかなと思いますが、
さらに優しい味を求めて豆乳を使ったクリームパスタにしたいと思います。
生クリームの様なくどさがないのに濃厚な味わいにできる豆乳は優しいのに満足感のある料理にしてくれます。
この材料で作ってもよいですが、もしお肉や魚を使いたいとなったときは
パスタソースにどの食材が合うのかを意識しましょう。
今回の豆乳クリームパスタの場合は
豚肉や牛肉だと部位によっては肉肉しく、脂っぽい味になってしまうのでこの場合は鶏肉のようなあっさりしたお肉がいいでしょう。
魚ですと、臭みが少ない白身魚がいいでしょう。
これで実際に作ってみて
何が足りないのか、
どういう盛り付けでお皿はどれにするのか、
どのパスタの麺が合うのか、
味付けはこれでいいのか、
などなど改善と試作を繰り返してようやく完成します。
このように少しずつ紐解いていけば新しいメニューは生まれてきます。
最後にこのポイントが大事です
それは
考えつつ、イメージする。
イメージの力が強ければ強いほど理想の形に近づくのは早いです。
イメージ力の大事さはスポーツの世界でも言われています。
いいパフォーマンスをするためにはどれだけ細かく、鮮明にイメージできるかが重要です。
そうすることによって脳はそれがあたかも現実で起こっているかの様な成功体験を錯覚をし、それによって自信やパフォーマンスを向上させます。
これがイメージ力のすごいところです。
なので、具体的なテーマまで決めれたら試作をしながら最も良い状態の料理をイメージし続ける。
これが美味しい料理を誕生させる一番の秘訣かもしれませんね。
料理は科学
「料理は科学」
こう言われるくらいですので、料理には必ずバランスがあります。
これを見極めて美味しい料理を提供するのが僕たち料理人です。
各々の味覚の違いがあるからこそそのお店ならではの味、というのが存在します。
みんながみんな同じ味覚だと食事を楽しめませんよね。
普段味わえないものを味わいたいから外食をする。
そういう楽しみがあるからみんな特別にお店に出向くのだと思います。
そのご要望に応えるために料理人がいます。
料理は一品一品にある程度のレシピが存在します。
それに従えばほとんど同じものが完成します。
食材によっては気温の変化などで扱いが変わるものもありますが、
だいたいはレシピ通りで同じものが作れます。
美味しいものを作るのにはセンスももちろんあります。
味のバランスも個人のセンスです。
そのセンスを磨いていくのが料理人の使命でもありますね。
特別な技術がなくても料理の組み立ては案外簡単にできます。
一流レストランや分子ガストロノミーのような料理は本当に科学の実験のような設備があったりします。
そこではより専門的な知識が必要になってきます。
お店のジャンルや価格帯は違えど、料理の開発の仕組みはどこも共通した考えがあると思います。
もし、料理開発に行き詰まったときは僕の考えを真似していただいた嬉しいです。
それでは料理開発を楽しんで、そしてクリエイティブな活躍をしましょう!